農業水利施設補修工事品質管理士

農業水利施設補修工事品質管理士

農業水利施設補修工事品質管理士制度の背景

農業水利施設は、食料の生産に欠かせない用排水の管理はもとより、国土保全や自然環境保全などの機能を有し、国民の「共通資産」として、極めて重要な役割を担っています。戦後、農業用用水・排水路、ダム、頭首工、用排水ポンプ場等の農業水利施設が積極的に整備され、その資産価値は再建設費で約32兆円にのぼっていますが、そのうち約20%は既に標準耐用年数を超えており、10年後には50%近くが標準耐用年数を超えることとなります。
この膨大な農業水利資産を、限られた財源の中で維持管理し、長期にわたって利用していくためには、ストックマネジメントに基づいた適時適切な補修により、施設機能の保全を図っていく必要があります。しかしながら、農業水利施設の補修工事については、

1.補修材料・工法が、建築や下水道等、他分野で開発されたものが多く、農業水利施設の補修工事の要求性能に合致しているかが明らかでない
2.工法がコンクリート構造物の表面を被覆保護するタイプが多く、表面処理や滲出水対策といった知見の少ない分野の施工に取り組まなければならない
3.補修材料・工法が、建築や下水道等、他分野で開発されたものが多く、農業水利施設の補修工事の要求性能に合致しているかが明らかでない

といった課題があり、これらの課題に対応していくためには、補修・補強工事に対応した技術体系の整備、人材の育成・確保が必要となっています。一般社団法人 農業土木事業協会は、会員会社とともに農業水利施設の補修工事の品質確保の調査・研究に積極的に取り組んできており、これらの成果を活用して、農業水利施設の補修工事を適切かつ効率的に実施する技術者を養成することとしたものです。

農業水利施設補修工事品質管理士の位置付け

農業水利施設補修工事品質管理士は、農業水利施設のうち開水路、頭首工等のコンクリート構造物の補修に携わる分野とパイプライン施設の補修・補強に携わる分野に分かれます。

農業水利施設補修工事品質管理士[コンクリート構造物分野](以下、「品質管理士」という)は、一般社団法人 農業土木事業協会が実施する講習会を受講し、さらに試験により一定水準の農業水利施設(コンクリート構造物)の補修工事の技術を有すると認定され、登録した者に与えられる資格です。したがって、品質管理士は農業水利施設(コンクリート構造物)の補修工事の施工・施工管理業務に従事していくことが主要な活躍の場になります。

補修工事の材料・工法は多種多様であり、品質管理士は、その中から農業水利施設(コンクリート構造物)の補修工事の要求性能に合致した材料・工法を選定できる技術知見が求められます。
また、農業水利施設(コンクリート構造物)の補修工事は、一般にかんがい期以降の寒冷で湿潤な施工環境下での施工となり、断水期間も限られることが多いため、品質管理士は補修工事の品質確保のための施工管理においても適切な指導力を発揮していくことが求められます。

農業水利施設補修工事品質管理士[コンクリート構造物分野]の資格取得の流れ

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