水利施設機能保全研究会

水砂噴流摩耗試験(選択的摩耗試験)

選択的摩耗:コンクリート中のモルタル部分が先行的に摩耗され、粗骨材が露出する現象

農業水利コンクリート構造物は、流水や混入土砂による選択的摩耗作用を受けます。そのため、 躯体表面が凹凸となり、粗度係数が上昇します。農業用水路など円滑な水の流下が求められる施 設においては、要求された水理性能を満足できなくなり、水利用上の不具合となる場合がありま す。また、さらに選択的摩耗が進行すると、露出した粗骨材の抜け落ちが起こり、躯体断面の縮 小に伴って構造安定性や耐久性が低下します。

試験概要

水砂噴流摩耗試験機(選択的摩耗試験機)は、上部に設置された噴射口から水中に攪拌させた珪 砂を圧力水により供試体へ噴射します。珪砂を混ぜる事により、土砂が混入した流水によって摩耗する農業用水路の状況を擬似しています。 この試験は、今まで得られなかった選択的摩耗という農業用水路の状況を擬似した摩耗の測定が 可能です。また、今までの摩耗試験機では、3ヶ月程度かかっていたデータが圧力水を使用する ことにより5~20時間で得ることが出来ます。

試験方法

1. 供試体の初期状態を計測
 1) 写真撮影
 2) 断面形状計測
2. 供試体を取り付け摩耗試験開始
3. 摩耗後、「1.初期状態の計測」と同様に写真撮影、断面形状計測
4. 摩耗時間が規定時間に達するまで同様の計測の繰り返し

供試体概要および摩耗量(供試体の断面形状)計測位置

1回の試験で6検体まで試験可能
そのうち、1検体は水砂噴流摩耗試験機の摩耗促進状況を確認するために、島根大学作製の長期材齢JISモルタルとする
また、1検体は摩耗量の基準となる比較供試体とする
比較供試体は、「セメントの物理試験方法(JIS R 5201-1997)」に規定されている通り、配合は質量比でセメント:水:砂=1:0.5:3とし、材齢は28日とする
なお,この比較供試体は試験をご依頼される各社で作製していただくことになります
供試体厚さ40mm(40mmより薄い場合はコンクリート板などで調整して下さい。なお、吸水膨潤するものは使用しないで下さい)
実験に使用した供試体は、原則として、3年間大学が保有させて頂きます

供試体概要および摩耗量(供試体の断面形状)計測位置

1回の試験で6検体まで試験可能
そのうち、1検体は水砂噴流摩耗試験機の摩耗促進状況を確認するために、島根大学作製の長期材齢JISモルタルとする
また、1検体は摩耗量の基準となる比較供試体とする
比較供試体は、「セメントの物理試験方法(JIS R 5201-1997)」に規定されている通り、配合は質量比でセメント:水:砂=1:0.5:3とし、材齢は28日とする
なお,この比較供試体は試験をご依頼される各社で作製していただくことになります
供試体厚さ40mm(40mmより薄い場合はコンクリート板などで調整して下さい。なお、吸水膨潤するものは使用しないで下さい)
実験に使用した供試体は、原則として、3年間大学が保有させて頂きます

水利施設機能保全研究会概要

水利施設機能保全研究会は、水利施設の機能・性能に関する試験・研究および基準化を目的としており、島根大学での耐選択的摩耗に関する研究を支援します。以下に組織概要を示します。

会長:
会員:入会を希望する企業および個人
(主として農業土木事業協会水利施設保全管理補修部門会員その他)
アドバイザー:数名 試験データの解析、検討に関する助言
事務局:2名 世話人、会計

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